前回の記事で「姿勢改善には道具が必須です」というお話をしましたが、スポーツなどのパフォーマンスをアップにさせる際にも同じことが言えます。
もし例えば、「走る方のためのパフォーマンストレーニング」を考えるとしたら、こんなことをします。
①
⇅
②
種目名:CON_ドロップスクワット(1LEG,ステップ台) 左右10~20回ずつ
ねらい:効率よく地面に力を伝える。
写真なので伝わりませんが、上と下の写真の動作を1秒に1回ぐらいの速さで飛び跳ねています。
「走る」という動作は上から下方向にかかる重力と体重を減速して止め(②)、流れるように下から上へと身体を押し上げています(①)。
その局面だけを切り取って反復練習するために「ステップ台」を使用しています。
私たちが走るときはその動作を左右交互に繰り返し、その時かかる負荷を上手にさばくことができる筋バランスや反応の良さを備えておくことが重要です。
なぜならば「走る」動作は、体重の2~5倍の負荷がかかるんです。
ということは体重がもし50kgだったら、ステップごとに片脚にかかる約250kgの力に耐えなければなりません。
したがって、写真のようなステップ台を用いたり、個人の能力に見合ったプログラム設計によって、効率よく力を伝えられるようにしておくことや、負傷のリスクを未然に防ぐ準備が行えていなければなりません。
そして最後に専門的な目線を少し。
①
⇅
②
これは後ろから目線です。
我々専門家は後ろからどこを見るかというと股関節(お尻)です。
走っていて膝が痛くなってしまう。また腰が痛くなる方は②の動作でこんな動きをしてしまっています。
「横にズレる」
これは足の裏、股関節、体幹のバランスが上手くとれていない時に起こるフォームです。
なぜ痛くなるのかは割愛しますが、写真のようにとある局面を切り取って、それが正しいフォームなのか誤ったフォームなのかを知るには鏡のようなフォードバックが必要です。
「背中に目をつける」ことはもちろん、なかなか現実的にこの条件はお家では整わないですよね。
ここまでしなくても。と思われる方もいらっしゃると思います。
が、なんでここまでするのかというと、専門家の間で「どうすればランナーの寿命を延ばすことができるか」「どうすれば効率よくパフォーマンスを上げることができるのか」を何十年も研究されてきた結果が今だからなのです。
ぜひ参考にしてみてください。